<各地句会報>

府中夕凪夏季吟行

   広島県緑化センター

   令和元年5月20日(月)

 

一句抄

 だれもゐぬウッドハウスや若楓         廣藤 景子

 あなどれぬ二歩の段差や山法師        堂垣内 惠

 カルミアは耳ピアスかも精霊の         浦田 啓子

 夏めくや草の匂ひを運ぶ風           安田 恭子

 ほととぎす頻き鳴く下を句座として        大久保信子

 そよ風に名札の揺るる新樹かな         丸山 康子

 万緑や八十歳はまだ幼              中川佳代子

 金色の鯉のさざなみ風薫る            叶堂三恵子

 葉桜の「楊貴妃」札に足止めて         江藤加代子

 緑さす園に溶け入る句友どち          中野 和子

 老鶯に誘はれ迷ふ森の径            鎌田 正彌

 深山晴空木の花の紅ほのか           和木 永次

 雨催ひ水面に揺るる山法師           高田久美代

 万緑や亀十匹の甲羅干し             佐々木美登里

 紅うつぎ木木の間の青い空            鵜飼 弘子

 若楓の風に佇つ息青むまで           粟屋紀佐子

 

  

 


草の実句会3月(兼題「忘」・自由題)

備忘録書き北窓を開きけり     松﨑文子

桜咲き被爆アオギリ忘れらる    谷口博望

おぼろ月取りに戻れぬ忘れ物   川合和子

片方は何処の山か忘れ角     下峠酉子

物忘れくり返しつつ二月尽     島村眉美

朧夜や父の遺せし紙おむつ    増原一美

曼荼羅のぬり絵仕上がる霾ぐもり  飯田和子

ビロードの絨毯となる落椿      片山京子

忘れ物気づかせるごと蕗のたう   西濵恵美子

手術待つ母の背中へ春日差    佐藤淑子

下萌やはなうたはキッチンの夫   大津洋子

樹々のこゑ手は風船をもう忘れ   水口佳子

 

夕凪加計支部

  安芸太田町文化・芸能フェスティバル

  平成30年10月27日~28日

  

   蔦紅葉這いゆく先きの一葉まで   淺田洋子

   追はるるをたのしむやうに稲雀    淺田洋子

   十六夜や源泉の沸く音幽か     小西佐和子

   十三夜千鳥城下の宿りかな      堀江広恵

   延命の水を絶やさず山眠る      前田清子

   ひと刷毛の雲をいただき運動会   齊藤たえ子

   席ゆずるランドセルの子小春風    齊藤たえ子

   葛咲くやドロップ缶の蓋開くる     河野由美子

   廃駅の朽ちし置傘姫女苑       河野由美子

   からだごと包まれてみる照紅葉    佐々木紀枝

   新藁に丸まり眠る仔犬かな       佐々木紀枝

   名月へ雲の階段浮き上がる      齊藤久美子

   秋の虫珈琲豆を挽きながら       齊藤久美子

 

   

 

美鈴が丘きさらぎ句会

 秋の吟行~マロンの里~

   平成30年10月11日

  

 一句抄

  降るものの中を動かず秋の蜘蛛   伊丹典惠

  さざ波の弥栄湖の風秋深む      岩合由紀

  薄日射すダムの岩肌そぞろ寒     大村摩耶子

  焼き栗の痕もあらわや鄙の里     樫本恭子

  猪垣に取り囲まるる生家かな     木佐幸枝

  栗御飯大きな粒の二つ三つ     榛葉信子

  大吉のみくじは肌に小春かな     髙島絹代

    転がって虚栗らのあっけらかん   永野真智子

  鬼灯を揉みて幼き恋の夢        新本壽子

  秋じめり瀬音の低き三重奏      西尾智子

  秋水や五官原始に戻したく      西濵恵美子

  秋の昼海鮮珍味直売所        西村美和子

  名物は大栗と聞き里の市        畠岡紀子

  流れゆく川面せかすや秋の雨     馬場キヨ子

  落栗の雨にぬれをり湖の国      平井昌子

  鳥の声鋭くなりぬ寒露かな       平田香都子

  毬栗や四方の山に雲湧きて      藤本陽子

  錦木の一際赤き葉に触れぬ      松本加代子

  霊峰を彼方において栗の笑む     三上フミヱ

  秋冷の少し膨らむ蜘蛛の腹       水内和子

  露草は好奇の橤をのばしをり      水口佳子

  霧雨の涅槃の如き湖へ降る       矢田部博人

  栗の木に梯子のありて秋時雨        山野井康彦