夕 凪 社
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あのころの手紙幼し桃の花 佳子 (photo 永井勝弘)
凩はきつとアラブ馬のかたち 佳子
初夢の切り口が見当たらぬまま 佳子
冬ざれに子を待つ百号のカンバス 佳子
幸つちやんの写メールに春てんこ盛 佳子
佐保姫も乙姫も素足のままで 佳子 photo 石川レイ子
抱きしめて朧のやうな子どもたち 佳子 (photo 石川レイ子)
けふの木にあしたの鳥が来て寒し 佳子
釦外して秋風の出入り口 佳子
秋燕を見送りてもうただの空 佳子
戦どこかに神鏡の奥吹雪きたる 佳子
寒禽のこゑ打ち寄せる電波塔 佳子
雪原を嗅いで哲学してをるか 佳子 photo浜田幸子
朴ひらく南無とちひさく声放つ 佳子
冷房にとざされ百鬼夜行絵図 佳子
あまりにも遠き記憶を朝の蟬 佳子
象使ひの少年泳ぐ夏の霧 佳子
天高々と鳥葬のありし頃 佳子
草の絮ロバのパン屋のちんからりん 佳子
秋薔薇の影をだいじに籠りゐる 佳子
沐浴に象の集まる銀河かな 佳子
鳥雲に入りて彎曲の鉄筋 佳子
行き先の定まらぬまま緑蔭に 佳子(photo水内和子)
緑蔭にあの日の紙ひかうき刺さる 佳子
かなかなの奥にだれかの呼ぶやうな 佳子
泣く廊下戦争がまだ立ってゐた 佳子
舌先や消えゆく虹を追ふことも 佳子
竜天にストッキングは風まかせ 佳子
胸鰭といふ涼しさのことのほか 佳子
綿虫が右のまなじりから入る 佳子
待春のくるりくるりと椅子まはす 佳子
枯野から走りはじめる導火線 佳子
秋風を入れるレジ袋をください 佳子
椋鳥のびつしり騙し絵に嵌る 佳子
はちぐあつや矯正ベルトきつく締め 佳子
血止草うそ繰り返す少年の 佳子
新樹光ド・ファ・ラへとゆび運びけり 佳子
花は葉にマスク外せば立ち眩み 佳子
鳥帰るレコードは音なくまはる 佳子
永久の冬永久の曇りの窓越しの 佳子
約束を違へて蝶になりそこね 佳子
木の椅子の朽ちて秋思の溜り場に 佳子
はなすすき息のかさなりあふ近さ 佳子
蘆の穂の風に梳かるるまま老ゆる 佳子
人の名の刻まれて悴みし石 佳子
五官みな尖つてきたる薄かな 佳子
御姫様抱つこを囃す告天子 佳子
火のごとき花を灯下に日記果つ 佳子
死角から日の零れくる寒卵 佳子
果てといふぎりぎりを裸木の愉楽 佳子
血流に没日とけこむ葉鶏頭 佳子
手紙みな此の世にとどき鰯雲 佳子
箱庭に川ありて語らぬ母子 佳子
八月六日まつさらな靴を履く 佳子
暮れ方の湖のしづかを蛇泳ぐ 佳子
春の夜の棒グラフ死を赤く塗る 佳子
さくらしべ降る黒服の列が行き 佳子
小鳥くる約束のゆび重くなる 佳子
歩く鳥飛ぶ鳥秋の深みへと 佳子
非常用出口にさわぐ寒鴉 佳子
冬の霧入ってますと声のして 佳子
花は葉に鳥化してゆく彼とわれ 佳子
蝶生る空気の薄きところより 佳子
貝殻も夏手袋も置き去りに 佳子 ( photo 水内和子)
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